画家達に愛された、船津

浜川の鉄橋　　　　　　　　（肥前浜宿）

鹿島市肥前浜宿の中央を流れる浜川、その河口より３００メートル位上流に鉄橋が架かっている。昭和９年長崎本線の開通で建設された。

鉄橋の両岸が北船津、南船津区で、漁師達の地区である。昭和初期までは東シナ海まで漁に出ていた。子供達も元気で、満潮時には鉄橋から飛び込んだり、伝馬船（四角い箱舟）をひっくり返して潜ったりして遊んだ。体力が付いたら、先輩達に連れられて海へあげまき等獲りに行ったものだ。

昭和期は真ん中を川が流れ両岸には潟が堆積し、そこがそれぞれの船着き場で川沿いには数えきれない程、舟が並んでいた。岸には、川に突き出て牡蠣打ち小屋があり、又近辺には「たいらぎ」の匂いが漂い海の薫りが満ちていた。

この風景は多くの画家達に愛され描かれてきた。数年前より河川改修が始まり、両岸の茅葺きの家並みも無くなり、絵心をそそられる景色は激減した。