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町中縦横に巡らす水路

中島家町屋と水場
      (肥前浜宿)


鹿島市肥前浜宿は町中縦横に疎水が流れている。豊富な湧水がある浜川より取水した水路は、清新で住民に心豊かな生活を恵んでいる。タナゴ、シマドジョウ、ツガネ、シジミ、ゴウビナ等が生息し、ホタルが飛び交う姿が見られたりする。

江戸前期頃、浜川を現状の流れに導いた時期に整備されたようだ、賢明なる先人によって後世まで残るまちづくりが出来た。この恩恵は生活、産業用水として活用され、様々な職種(酒造、醤油、鍛冶屋、水産加工、農業他)が生まれ、浜千軒と言われる町に成長した。

スケッチは酒蔵通りの町家で、前面に水路が流れ、出入り口前に石橋を架け、水路上に布石を渡して袖壁、出格子を設け、又各家毎に水場を備えている。水路と密接な関わりを結びつつ町家建築が構成されて、魅力的な町並み空間を形成している。